「うるおうアジア」展に出品される、福岡アジア美術館の魅力的な所蔵作品から、その一部をご紹介!
ぜひ、はけの森美術館にてお楽しみください!
今もバングラデシュの街にあふれ、庶民の移動手段として利用されるリキシャには華美な装飾が施されています。日本の人力車をルーツに持つこの乗り物は、南・東南アジアの多くの都市、そして遠くアフリカにまで広まり、各土地に合った形へと姿を変えました。リキシャには、民俗的な風習や宗教的神話、人気映画の一場面、ノスタルジックな農村、憧れの都会のビル、また時には社会的・政治的テーマが描かれています。
19世紀前半、西洋から中国を訪れた旅行者たちが中国を訪れた西洋からの旅行者たちが記念に買い求めた、異国で見た珍しい風景や習俗を描いた絵画です。中国人画家たちは広州や香港に工房を構えて、分業制で、異国趣味に彩られた絵画を作り出しました。《中国人家族のいる雪景色》は、全体は西洋絵画の遠近法によって構成されているものの、岩や樹木は中国絵画の伝統的な描法で描かれています。
作者の森錦泉は横浜市に生まれ、1910年代にインドネシアのジャワ島へ渡り、写真館を構えました。一時日本に強制送還されますが、再びインドネシアに渡ります。
本作はウォノソボ近郊の火山を椰子の生える湿地から見上げる構図をとります。こうしたロマンティックで理想化された風景画はモダニズムの画家たちから「ムーイ・インディ(麗しの東インド)」と呼ばれ、批判の対象ともなりましたが、水の反映やしっとりとした大気の表現は、この土地に生きた画家の深い観察や実感を伝えるものといえるでしょう。